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同窓会報 第7号 (1964年10月10日発行)

同窓会の発展を目指して

斎 正子教諭    

 同窓会のみなさん、御元気ですか。
 学校はベビーブームを迎えて、生徒数八百五十になり、鉄筋校舎がたちました。先生も三十五人になりました。 松岡、鈴木三、三浦先生はお年でやめられましたが、その他のやめられた先生方は、すべて大学へ栄転されました。 昔の先生方はお変わりなくそのまま残っておられます。どうか、折につれて、学校へお立ち寄り下さい。 同窓生のたまり場として、部屋を用意したいと考えています。お待ちしています。
 さて、私は、この度同窓会の顧問になりました。同窓生を調べてみましたら、今年卒業の十四期生までで、二千百二十四人になっていました。 これだけ揃えば、何かやるべきですが、一体同窓会とは何をやるところか考えてみました。
 同じ学校で学び、同じ伝統をうけついだ縦と横のつながりのある仲間です。 まず互の親睦をはかり、相互扶助に役立つこと、母校へ何らかの寄与することではないかと考えました。
 都立高校の卒業生は、母校の深い愛着をもっています。 大学へ入学しても、ひまさえあれば高校に集まってきます。 まるで心の故郷と考えているようです。 事実、暖かい自由の空気が、まだ流れています。 そういう中で育った高校時代は、利己のまざらない純粋なものでした。 私は同窓会というものは、その純粋さと、母校への愛情と、あの自治と自由を基調として組織すべきものと考えます。
 当面次のような仕事をしたらどうでしょうか。

一、縦の組織の確立とその仕事
 どこでもクラス単位や学年単位の集りはあるようですが、全体を通しての連絡がありません。 各学年代表が集まる委員会をはっきりさせることがまず必要です。
・新旧高等学校同窓会の一本化(当分の間連携)
・新制都高出身者の各大学在学者名簿と各企業別名簿の作製
 大学新入生にとって、その大学に在学する先輩の経験や指導がどんなに役に立つか、同じように、就職の場合の先輩の指導も同様です。 各企業の中では、都立出身の同窓生の集りがつくられて、時折、その報告などもあり、新旧同窓会の一本化も現場では実際に行われています。  こういう組織を作る事は学閥化やセクト化とまぎれやすいけれども、そうではなくて、人生おける無駄や不潔さをすてて社会に寄与するオープンな組織としていきたいものです。

二、親睦のための仕事
・同窓会員の仕事の紹介や、珍しい経験談などの紹介−集会や会報などで
・勤務先や住所移動通知
・先輩や後輩が知り合いになるために、記念祭に年一度集まるだけでなく、夏や冬に山の家などで共同生活をしながら、学びかつ遊ぶ週間の企画

 次に母校や在校生のために何をやるかという問題になりますが、やっぱり先輩として、後輩のために知識経験を伝えてくださるのがまず有難い。 今年の夏に十三回生が中心になって、一・二年生に、無償で一週間の学習と生活の指導をして、生徒たちから喜ばれました。 学問の本質をふまえた高校生活本来のあり方をうけついで貰いたいという卒業生の願いからでした。 母校の伝統をつなぐ一つの手段でもありましょう。この企ては続けてほしいものです。
 今学校が一番立ち遅れているのは、小学級制からきた施設設備の立ちおくれです。 お金がないので、建設ブームにものりませんでした。 体育館がやっとたつことになりましたが、沼津の海も汚くなりましたし、この際、山の家をたてるべきだと思います。 他の学校では、林間学校やスキーの家など、ぞくぞくたてています。 在校中そんな家があったらと、思った人も多かったでしょう。 卒業生の中には、仲間で立派な家をたてたグループもありますが、生徒も卒業生も使えるほどには大きくないのです。 身体を鍛え友情を育てる場がほしい。 学校や父兄会と一緒になってぜひやって欲しい事です。 幸い若い卒業生の中で運動がはじまりかけています。
 こんなさまざまを考えて、六月頃十二期生の会長井上君と話し合いました。 井上君は賛成でしたが、多忙のため十三期生に、バトンタッチされました。
 しかしベビーブームで大学級規模になった学校は、静かに見えぬ速さで、やっぱり曲がり角を滑っているような気がします。 都立高校のよき伝統を続け発展させるために、みなさんの協力を望みます。 新しい創意工夫をよせて下さい。 役員以外でも、関心のある方は、どうか話にきて、手をかして下さい。 仲間の情報をしらせて下さい。同窓会の名において結婚式の祝電などうちたいものです。


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