Homeコラム都高六十年記念誌思い出あれこれ(13)

六十周年に思う 井上 三郎

 都立大附属高等学校が開校六十周年の記念する日を迎えることになり、本校に勤務する私としては実に嬉しいことであります。 六〇年と言えば、私もこの世に生をうけ六〇年、学校と同時期に昭和の動乱期を歩き、苦労しながら平和な現代に至る過程を考えると、一層の感動を覚えるものです。

 人生六〇年は、暦の上で還暦祝で人生の一つの節目であり、私も家族友人と祝膳を囲み、六〇年の歳月を語り、将来の発展と長寿を願い、祝の酒に酔いひと時の団欒を過ごしました。 六〇年を記念誌、特別な企画を行い祝うのも、意義のあることではないでしょうか。

 私は一九六八年に本校職員として採用され、今日まで二一年の勤務となります。 それは人生で最も活動的な壮年時代の大半を占め、生涯で最高の思い出として残ることでしょう。 職務は警備係で休日夜間、学校を警備管理し、翌日支障なく学校生活が出来るようにする仕事です。 二一年間にいろいろなことがありました。 一九六八年頃は学園改革の学生運動が盛んな時代で、生徒の学校封鎖問題が第一に浮かび、正常な学園にもどるまでの警備に苦労したこと。 深夜生徒の尊い命を救助し、親や先生方に感謝されたこと。 その頃の校舎は古い木造が主体で、暖房器具が石炭を燃やすダルマストーブで火の用心に神経をつかったこと。 深夜歩くたびにミシミシギシギシの不気味な音。 不審者に緊張、野良猫の跳び出しに驚いた等々。 現在の校舎に順次改築され、防災防犯の改善で不安が少なくなり、同僚と喜び合ったことが懐かしく思い出されます。

 残念ながら、私の六〇年は定年であり、退社し第二の人世に向かう出発の年です。 皆様は六十周年を前進へのステップとし、繁栄と栄光に向かってジャンプしてください。 六十周年記念、おめでとう。乾杯。

(現警備主事)
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