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 同窓会報誌(2017年6月30日発行)に寄せられた佐藤文行さんの寄稿を掲載しています。

学生歌の伴奏

佐藤 文行(17期)
 二期会会員

 僕は旧制時代からの寮歌、学生歌、記念祭歌を継承してゆく為に、旋律と歌詞だけの楽譜に、友人の助けを受け、伴奏を付ける作業を推進してきました。

 2010年に同窓会が発行した「校歌・学生歌・寮歌・記念祭歌集」 DVD作成の計画時点では、校歌、学生歌「青春といふ」、文乙歌「いざ友」の3曲には、同窓会がブラスバンド編曲のスコア(総譜)を発注していましたが、それら3曲を含む11曲は「太鼓を中心に歌う予定」とのことでピアノ伴奏は考慮されていませんでした。

 しかし歌は総勢百人の大合唱です。歌唱指導と指揮を任された僕にとって、収録前の練習時に《ピアノの応援》は不可欠でした。 そこで前同窓会長にピアノ伴奏の必要性を訴えて了解を取り、作曲家の親友に伴奏の演奏料のみで「ピアノ伴奏楽譜の作成と練習・本番のピアノ伴奏」を依頼しました。 練習は当初計画の2日を3日間に増やし、収録当日を含め都合4日間になりました。覚悟の上でしたが僕のギャラはなく、伴奏譜の製作費など費用はすべて自前でした。

 このたび八雲ガ丘学友会から依頼を受け、旧制府立高校OBの希望も取り入れて、宍戸会長と追加分6曲を選定。さっそくピアノ伴奏部分の作曲に取りかかりました。 6曲は旧制時代の歌を中心に、理乙歌「流るる月日」、旧制第九回記念祭歌「見よやローマの」、旧制十回記念祭歌「銀扇空に」、旧制第十七回記念祭歌「八重なせる」、そして新制九回記念祭歌「それ今天地は微笑せり」、です。

 各時代の社会情勢のなかで我らの先輩たちが何を考え何を感じとっていたのかをうかがい知ることができる深い思いの曲ばかりです。 特に終戦翌年の「八重なせる」に至っては《学生歌の勇壮・豪快》が全くなく、戦いを終えたばかりの傷ついた勇士のまなざしさえ想わせ、その心情を察するに涙を禁じ得ません。 また1957年の「それ今天地は微笑せり」は全く古さを感じさせない出来でプロの作品のようです。 歌の流れが自然で伴奏もつけやすかったので、今後は人気が出ることでしょう。

 まだまだ伴奏付けしたい曲は沢山あります。 楽曲の継承には、何といっても伴奏付楽譜と録音が必要です。

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