第3回「八雲が丘賞」桜修館中等教育学校・写真部が受賞しました。表彰式は2015年9月7日、第67回記念祭の閉祭式の中で行われ、都大附高同窓会から写真部の皆さんに、表彰状と記念品代10万円が贈られました。
「写真を撮る」という行為は、今やあまりにも日常的なものになっています。特にこの10数年デジタル化が急速に進み、ケータイやスマホにカメラが搭載されるようになってからは、いわば「個人的記録」としての役割が中心になっているようにも思えます。いつも「証拠写真」が撮れる、そんな時代になりました。
コンパクトカメラやフィルム付き使い捨てカメラの登場は、写真撮影を身近なものに替えましたが、デジタルカメラがさらに状況を劇的に変えました。
そのような中で、写真部の存在意義はどこにあるのでしょうか。その答えの一つが受賞した写真部員の発言の中にあります。
「写真部で学校行事を撮影するようになり、良い写真を撮影する相手と良い関係を築くことが大切だと思うようになった」。「前期と後期の生徒が一緒に活動するので、年齢の離れた人同士で交流できることが楽しい」。
シャッターを押すことはまさに孤独で個人的な行為ですが、被写体である相手との関係や部員同士のつながりが、一段高いレベルの作品を生み出すこと。これが部として活動することの大きな意味ではないでしょうか。
写真部員の作品はなかなかのレベルにあると言えます。受賞理由のひとつだった第66回記念祭(2014年)の「色と光のサーカス展」は高い企画と技術力を見せましたし、第67回記念祭(2015年)の展示「SUMMER ESCAPE」は実にユニークな試みでした。
「写真は人ぞれぞれの好みや感性が異なるので、どう評価していいかわからない」のは確かに悩みと言えます。しかし、そこから生まれるさまざまな意見が写真部の活動のい幅の広さと豊かさを示しているのだと思います。
「八雲が丘賞」は、桜修館と都大附高同窓会を結ぶ絆のひとつです。どんな活動が受賞したのかは、桜修館を知る事にもつながります。来年はどんな活動がノミネートされるか大いに楽しみです。